2012年4月1日日曜日

【芸術】世界の終わりのものがたり

※なぜか消えてしまってたので再掲※

春の嵐が吹き荒れる昨日、3月31日、お台場の科学未来館で開催中の「世界の終わりのものがたり~もはや逃れられない73の問い」展へ足を運んだ。途中で電車が止まったせいで約束の時間には間に合わず、会場に着いたのは11時半頃。(某K葉線の使えなさといったら!)休日なので混雑を覚悟していたけれど、悪天候のためか、それともテーマが子供向けではなかったからか、そんなに人はおらず、ゆっくりと見て回ることができた。常設展やプラネタリウムも見たけど、感想は世界の終わりのものがたりに絞ることにします。

 3月11日の東日本大震災をきっかけに、日本人皆が感じた、「ある日突然世界が『終わって』しまうことへの恐怖と、それは逃れられないのかもしれないといった不安な気持ち」に対して、見て見ぬふりをするのではなく、あえてシビアに向き合ったという今回の展示。人間はいつか死ぬ、老衰で死ねればいいかもしれないけれど、不慮の事故や災害に見舞われて死んでしまうこともあるかもしれない。大切な人が皆いなくなって、ひとりぼっちになってしまうかもしれない。こうした逃れられない現実をトコトン追求した展示品の数々。心がずーんと重くなるようなテーマにも関わらず、不思議と嫌な気持ちはしなかった。それは、強制的に、ではなく、展示品の中で問いかけられるいくつもの質問に対する答えを、自然に自分の中で見つけようとすることができるから、なのかも。

 「人の手によるものと、人の手によらないもの、どちらがこわいと思いますか」「あなたにとって一番こわいことはなんですか」「あなたが死の直前にしたいことはなんですか」「あなたが不治の病にかかったとして、そのことを大切な人に伝えますか」「あなたにとって生きるとはなんですか」「逃れられないリスクに対して、あなたはどう向き合っていきますか」問いかけられる質問に対し、参加者は自分の想いを付箋等に記すことができる。参加型の展示というのは今まで何度か見たことがあるけれど、ここまで「参加型」という特性を活かしたものは初めてだったように思う。自分だけではなく、他の人の答えに目を通すことで、何となく日本人らしさというか、そういうものも感じることができた。勿論私も例外ではなく、その枠にはまってしまっているんだろうけれど。

 わたしにとって一番こわいものは、「ひとりになること」だ。漠然とした不安ではあるけれど、幼い頃から心のどこかでずっと感じていた。幸いにも、実際に「ひとりに」になってしまったことはない。家族・友人・恋人…いつだって私のそばには、私を支えてくれる多くの人が居る。これからの人生の中で、そういった周りの人々が誰もいなくなってしまうような、そういう経験はしたくはない。わたしにとっての「わたし」とは、周りの人がいてこそ成り立つものだから。他者との関係性の中での自己。なんだか、昔習った言葉のような…。

 

 この地球の青さも、けして永遠のものではない。現実から目を離さずに生きるのではなく、現実と向き合って、毎日をしっかりと生きることの重要性を、再認識させてくれる良い展示だった。

***

 おまけ 3月中旬、家の庭で、梅の花が綺麗に咲きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿