2012年3月4日日曜日

【芸術】ICCとメディア芸術祭

2月4日と3月3日はサブカルづいていた(自分的には)2月:初台のICCによる「インターネット アートとこれから」へ。3月:国立新美術館で開催中の「第15回 文化庁メディア芸術祭」へ。どちらもサブカルというか、次世代アートというか、何かくだらないことを(勿論良い意味で)真剣に考えて表現している人たちの集まりといった印象。正直私には何かを表現する力なんて全然ないし、次世代アートどころか芸術のことなんか全然詳しくないし、何となく「すごいなー」とか、「へー」とか、「おもしろいなー」って感じる程度なんだけど。幸運なことに私の周りには、作り手として芸術にかかわっている人や、学生の立場から考察・研究している人が多いので、一般の人よりは少しだけ、そういう世界をわかることができている…気はする。

 ICCでは、インターネットというものの脅威とか面白さとかがぎゅっと凝縮していた感じ。「お絵描き掲示板」のよる芸術は、自分の経験とも相まって懐かしさと同時に、当時の「絵」に対する純粋な楽しみを見出すことが出来て、しんみりした。あの頃は、何も考えず、好きなものを描いて掲示板に投稿して、顔も知らない他の人と「絵」を介して交流して。まるで自分が一流アーティストになって、同じ職業の仲間と議論を交わす、みたいな、そんな疑似現実を楽しんでいたなあとか思ったり。今はPixivとかでその疑似現実を体験することが可能だけど、何だかレベルが高すぎて、掲示板時代の気軽さとか「下手でも褒めてもらえる」感じはないような気がする。
 あともうひとつ、ICCで印象的だったのは、時計。その名も、「夜の12時をすぎてから今日のことを明日っていうとそれが今日なのか明日なのかわからなくなる」。現実の時間を示す時計と、その現実の時間を「表現している」だけにすぎない画面の中の時計。どちらも同じ役割(時間を表す)を果たしているにも関わらず、実際にはその時計が示す時間は異なっている。前者は現実の時間、後者は過去のどこかの時間。なぜならば、過去の時計は過去のどこかで撮影された、画面の中の時計だから。私の拙い説明では単なる厨二病だな。うーむ。

 ICCは初めていったけど、通常展示も物凄く魅力的。真鍋大度さんのMV「少年よ我に帰れ」が素敵過ぎて、2回くらい凝視してしまったり、「無響室」で精神不安定になったり。何だか自分がアニメの中の人間になったみたいに、現実と疑似現実をいったりきたり。こういう世界にどっぷりはまってみたいな。不安定になりそうだけど。



 そして3月3日。昨日は「メディア芸術祭」へ。今までやっていること自体は何となく知っていたけど、入場無料であることとか、そもそも国立新美術館というものが六本木にあることとか、正直全然知らなかったレベルに近いので、初参加。何で今回行きたい!って思うようになったかっていうと、まあ「魔法少女まどか☆マギカ」が大賞を取ったという事実があるからなんだけど。

 まどマギは例の3話の評判を2chまとめアプリで見て、「何これこんな可愛い感じのキャラクターでほんわかした感じのアニメなのにいきなり登場人物首ちょんぱとかえええええ」みたいな感じになってそれ以来まとめの感想とかニコとかで見てずぶずぶとはまっていったのですが(実はちゃんと全部見たわけではないというにわか)やっぱり凄いなあというか。ステマとか色々ゆわれてるけど、サブカル!って感じのイヌカレー空間魔女と鬱シナリオとそれらに相反するような魔法少女たちの可愛さといじらしさが本当素敵なマッチ加減というか、まあとにかく好きなわけです。メディ芸での展示方法も、イヌカレー絵が巧く合うような感じにしててよかったな。そこで流れてたPVが絶妙だったんだけど、もう1回見たい…。映画はも絶対観に行こう。

 そしてそれ以外の展示ですが、他にも良いのが沢山あった。印象に残ったのは、しりあがり寿さんの「あの日からのマンガ」。新聞4コマの底力を見た気分。そして新聞の持ついわれもない「力」も。3月11日以降の実際の新聞紙面と、しりあがりさんの4コマを並列でまとめた展示を目にしたことで、彼が未曾有の大災害の中で、「マンガを通して何を表現すべきか」を悩みながら、それでも描き続けてきたという事実に、本気で心打たれた。新聞4コマも、新聞も、インターネットの波に流されてしまいそうな過去の遺産だけでも、やっぱり私は好きだな。
 あとは、名前は忘れてしまったけど、ゲーム画面を横につなげて遊ぶことができるもの。ファミコンからキネクトまで。ファミコンなんて知らないんだろうなあ(かく言う私もスーファミからか)という少年が目を輝かせて遊んでいる姿にじーん。ゲーム業界のはしくれとしては、こう…心を打たれるものがありますよね。

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 そんなこんなのサブカル日和。サブカルと言えるかはわからないけど、ブルーマンも見てきたりして。1カ月に1回は何らかの芸術に触れていたい、と、思う今日このころ。ブログも続けないとね。

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