2010年6月2日水曜日

【史跡】5月15日~17日、函館五稜郭祭、その②

【5月16日】

 というわけで2日目です。1日目は睡眠不足の上に動き回ってしまったのでへとへとになり、ぐっすり眠りました。8時間睡眠・・・普段の生活よりも寝ています。旅行に出ると規則正しい生活を心がけるのですね。早寝、早起き。ちなみに2日目は6時起きでした。朝ご飯は市電「五稜郭公園前」駅目の前のミスタードーナツで。ちょっと意外というか、びっくりだったのが、函館市内にはカフェ的なものがとても少ないんですね。都内を歩いているとスタバやらマックやらエクセルシオールやら、「これでもか!」というほどにカフェに出くわすのですが・・・都会人(?)の感覚からすると少し不便かもしれません。
 こうしてじっくりとお腹を満たしてから、「五稜郭公園前」から「谷地頭(やちがしら)」駅へ向かうために市電に乗り込みました。所要時間は30分くらい・・・だったかな?市電は函館市民にとって重要な「足」らしく、予想以上に混んでいました。この日は日曜日だったのでまだ人は少なかったんだろうと思いますが、平日はもっと混みそうですね。大変です。
 途中駅からこんな建物を見つけました!「北海道坂本龍馬記念館」・・・なぜに龍馬さんと北海道?と不思議でした。後日、パンフレットを手に入れて確認したところ、龍馬さんの子孫の方が北海道に移り住んだことで、手紙や史料が残っているらしいです。(参考ページはこちら)今年の龍馬ブームにも後押しされて、割と繁盛しているのでしょうか?今回は行けず仕舞でした、残念・・・。
 ついに「谷地頭」駅に到着。旧幕府軍の慰霊碑である「碧血碑」を目指します。谷地頭駅は、住宅街のど真ん中にぽつーんと有る感じなので、焦ります。地図を持っていたので何とかなるだろうは思いつつも、やっぱり焦ります(笑)2007年の旅行時にも来ていることは来ているんですが、そのときはレンタカーを借りていたんですよね・・・歩きだと今回が初めてでした。ちゃんと到着できるかなあ、と、不安になりつつも、「絶対に蒼血碑に行くであろう人」に着いていくこととしました。こういう状況下でお仲間に出会えると嬉しくなりました。そうして無事に蒼血碑の看板を見つけることができました。・・・とは言ってもい、この看板から更に歩かなければならいないのですが・・上り坂なので結構つらかったです。体力、亡いんですよね・・・。  いつの間にか前に歩いていたお仲間さんたちとはぐれつつも、(どうやら「函館八幡宮」の方へ向かっていったらしいです)無事にたどり着くことができました!「碧血碑」です。「義に殉じた武士の血は、3年経つと碧色になる」という中国の故事を元にこの名前がつけられたとか。1875年(明治8年)に、箱館戦争を含む戊辰戦争全体で命を落とした方々を慰霊するために建てられました。題字は大鳥圭介さんが書いたとか。裏にも文字が書かれているのですが、榎本武揚さんが書いたものらしいです。蝦夷共和国の中でも命を落とした人は大勢いたわけで・・・明治の世まで生き残りながらも、仲間たちの姿を忘れることはできなかったであろう二人の切なさというか、やるせなさを感じます。 亡くなった方々の霊魂を、「幽霊」という言葉で一括りにして語ることはしたくありません。私はそのようなことは好きではないし、無神経きわまりない行為だと考えているからです。ただ、「蒼血碑」周辺には、亡くなった方々の「想い」がそのまま残っているような気はしました。静寂の中で目を閉じれば、声が聞こえてくるような。上手く言えませんが、不思議な空間です。朝日に輝く碑を見上げて、言葉も発さずに、ただ、ただ、そこに佇むだけで、涙が出て来てしまうような。どうか、安らかに眠ってください、と、心から願わずには居られませんでした。
 名残惜しい気持ちを引きずりつつも、次の場所へ移動です。再び「谷地頭」駅から市電に乗り込み、隣駅へ。「函館公園」に向かいました。  公園自体は、地元の人たちの憩いの場といった感じで、何の変哲も無い感じではあるのですが・・・実は公園の中心部に「市立函館博物館」があるのです。(その①でも書いたように)かつては五稜郭公園の中に「分館」が有って、そこに箱館戦争の史料などがあったのですが、今は無くなってしまったため、市立函館博物館が一括して展示しています。箱館戦争に興味津々な私としてはまさに宝の山!博物館内の写真撮影は禁止ですので、ここでは言葉のみで感想を語らせて頂きますが・・・。新政府軍の方の軍服や、中島登の描いた新選組隊士の姿絵、箱館戦争を描いた当時の絵画などが印象的でした。大砲もあったかな?土方歳三を特集した「そのとき歴史が動いた」の上映なども。さすがに全部を見ることは叶いませんでしたが、雰囲気を上手い具合に盛り上げていました。また、その他にも、北海道開拓の歴史や、はたまた動物の剥製展示もありました。野生動物の剥製、すごかったです。つい最近まで上野で開催されていた「大哺乳類展」にも行きましたが、それをしのぐ迫力がありました。自然体で飾ってあるのが良いのでしょうね。
 博物館には1時間以上いたように思います。史料が大量に有ると夢中になってしまうんです。博物館の係の人にも「ずいぶんじっくり見られていましたね」とびっくりされました・・・しかしあまりゆっくりはしていられません。13時からは函館五稜郭祭最大のイベント、パレードが始まるのですから!市電に乗って「五稜郭公園前」駅に戻りました。おひるごはんは函館ラーメンです。有名な「あじさい」というお店で頂きました。本場の函館ラーメンは違いますね!あまりのおいしさに、夜ご飯も同じお店でラーメンを食べちゃうわけですが・・・さすがにやりすぎですかね?それほどまでに美味しかった、ということで。


 さあ、おなかも満たしたところで、いよいよパレード開始です!五稜郭公園に向かう道(北海道新聞社とかがありました)で剣技のお披露目もあるということで、じりじりとした暑い日差しに耐えつつ待ち続けること30分。いよいよパレードが始まりました!
 一番最初にやってきたのは開陽丸!・・・と、なぜか黒船(笑)おそらくこの写真は開陽丸の方だと思うのですが・・・少し定かじゃありません。これ、どうやって動いているのかと不思議だったんですが、中にトラックが入っているんですね。船の真ん中あたりから普通にドライバーの姿が見えたりして、ちょっと笑えました。それでも立派に作られています。力の入れようを感じます。  正直なところ、パレードを見るのに夢中になりすぎて、あんまり良い写真がありません!なので、厳選したものを・・・一番最初の青い軍服は伝習隊、真ん中は大砲、一番下は蝦夷新選組の方々です。そのほかにも、額兵隊や会津藩など、旧幕府軍の方々がたくさん歩いていました。市民の方や市役所の方、あるいは現役の警察官・自衛官の方々など、多種多様な参加者がいるみたいですが、皆さん、表情が本気でした。うーん、熱い!私が見ていたところはちょうど旧幕府軍(蝦夷共和国)側でした。反対側には新政府軍が。向かい合い、大砲を撃ち合ったところで(本物です!すごい音でした)剣技の開始です。 自分なりには最高の場所を取ったつもりだったんですが、剣技披露の場所と少しズレていました・・・涙。なので、土方さんをはじめとする皆様のチャンバラを見ることができず。残念!でも、後ろからはばっちり見ましたよ!(←フォロー)この写真の真ん中に写っている後ろ姿が、土方さんです。スラっとした長身にまっすぐ伸びた背筋が印象的な方でした。大鳥さんも近くに居たんだけど・・・うん、まあ、戦わないよね、という(笑)そんなあなたが嫌いじゃありません。
 剣技披露の後は再びパレードが進みます。威風堂々と現れる新政府軍の方々・・・うわーん、怖いよ!と、叫びたくなってしまうのは、やはり私が佐幕派贔屓だからでしょうか・・・錦の御旗が聳え立っています。ううむ・・・憎いとまでは言いませんが、何とも複雑な気持ちに・・・。パレードはそのまま五稜郭公園の中へと入って行きます、いよいよ、フィナーレです。
 少しズレてますね(汗)このシーンは、箱館戦争終結の様子です。五稜郭の開城ですね。頭を下げているのは榎本さん・松平さん・大鳥さんなど蝦夷共和国幹部の方々、対するは黒田さん率いる新政府軍の方々です。最後の最後まで戦い続けた「ラストサムライ」たちの姿と考えると、熱いものがこみ上げてきます。ちなみにこの写真の前方にもある大砲ですが、ここでも迫力満点の空気砲が打ち鳴らされていました!お腹の底まで響く音は、花火とはまた違った感じでした。・・・そりゃそうですね。ここで五稜郭祭は閉幕です。地元の人たちから観光客まで一緒になって盛り上がるイベントでしたので、終わってしまうということにはちょっとした寂しさも漂っていました。また来年も行きたいなと思いつつ。
 疲れたのでまたもやホテルに戻って休憩です。すぐ疲れて しまうのが私の良くないところですね・・・お腹もすいてしまいます。知る人ぞ知るローカルなコンビニ、「ハセガワストア」の焼き鳥弁当を部屋に持ち帰って食べました。実はこれ、鳥肉じゃないんです。豚肉なんです。何でトリなのにブタ?!うーん、函館、よくわからない・・・B級グルメということでしたが、普通に美味でした。

 さあ十分に休憩をしたところで、2日目の締めということで、再び五稜郭タワーへ!夕日を拝みます。
 時間としては19時近くになるのですが、ちょうど日が沈んでいくところでした。町全体がオレンジ色に染まってから暗くなっていく様子は、寂しくもあり、美しくもあり・・・。五稜郭祭が終了したということもあって、もの悲しさは倍増でした。


 土方さんも夕日を見つめながら寂しい気分になったり、郷愁の念を馳せたりしたことがあったかもしれません。タワー展望室の銅像がオレンジ色に染められた時、そんな想像をしてしまいました。後で気がついたのですが、この銅像は、本州の方を向いているのですね。魂だけでも、故郷に帰ることはできたのでしょうか。そうだといいな、と思います。

 タワーで動き回っていたらまたまたお腹がすいてしまったので、再び「あじさい」さんの函館ラーメンのお世話になりました。夜は早めに22時就寝、さあいよいよ3日目です!

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