形にはならないもの、人々の頭と心に残っているもの。
それを残すためにはどうしたらいいんだろう。
ずっとずっと覚えていればいいのかもしれない。
でも、人間はコンピュータでは無いから、ずっとずっと覚えていられることはできない。
いつかは忘れてしまうし、死んでしまえば無くなってしまう。
だから、残したいと思う。
記録とは、記憶を残すために、思い出を残すために、人々が編み出した行為。
その行為は、今や多岐にわたる。
絵、文字、紙、冊子、日記、本、写真、映像。
メール、ブログ、フロッピーディスク、USB、ハードディスク、SNS、ワード、パワーポイント。
その行為は、今後も進化し続けるだろうと思う。
その流れを止めることはできない。
時が経つにつれて、何かが淘汰されていく。忘れ去られていく。それは仕方のないことで。
仕方のないことなのだけれど。
どうしても失いたくない行為がある。
たとえば、手書き文字の温かさ。たとえば、擦り切れた写真の色とにおい。
たとえば、書きためた日記帳の重み。たとえば、大切な人がくれた絵の優しさ。
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文字が、好きだな。
わたしは。