2012年8月26日日曜日

【感想】おおかみこどもと薄情なわたし


映画「おおかみこどもの雨と雪」を見た。前評判で「とにかく泣ける」とか「いずれ母になる人は見るべき」とあったので、ハンカチを手に覚悟して観に行った。…が、予想に反し、全然泣けなかった。ウルっときたりはしたけど、ほとんど涙の一滴も足れず。あれ?こんなもんかしら?と思って明るくなった場内を見渡して唖然。皆泣いてるじゃないですか…。そうしてわたしは自分自身のことを薄情な奴!と思いこんだわけです。オワリ。 …と、ここだけで終わるのはもったいないので、「なんで泣けなかったのか」を考えてみることにした。

以下、観終わってから数時間後につらつらと書き込んだ自身Twitterより抜粋しながらのまとめ。

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●おおかみと人間のはざまの子供たちの姿とか、家族の絆とか描くのはよかったんだけど、それならお父さんもいっしょであってほしかった(´・_・`)●

そもそも最初から最後までぬぐい切れなかった違和感はそこ。おおかみと人間の狭間で生きる子供たちとそれを支える親の姿を描きたかったなら、どうしておおかみおとこの父親を死なせる必要があったのか。父親をいないものとして扱うことで、母親の存在の偉大さが際立ったといえばそうかもしれない。仕事ばかりで家庭を顧みない現代社会の父親への暗喩なのかもしれない。でも、だからといって死なせることはないだろう…。しかも意味のわからない死に方で・・・。おおかみおとこの葛藤とか、どうやって彼が大人になったのかとか、そういう部分を知りたかった。少なくとも私は。

勿論世の中には色々な理由で両親が健在じゃない家庭もいるから、父親と母親と子供たちという状態で家族のきずなを描かなければならないわけでもないし、そこは別に片親でもいいと思う。父親の死ぬ意味がよくわからなかったのが純粋に嫌だった。ただそれだけのことで、本編を見ながらもずーっとわたしはもやもやしていた。

●あんなできた母親はいないし、そもそも大学はどうしたんだよとか、実家にはなんて伝えてるんだのとか、貯金で暮らすには無理があるだろとか、いろいろ考えてたらモヤモヤしかしないよね(´・_・`) ●

実は細田監督の作品を見るのは初めてで、かの有名な「時をかける少女」も、「サマーウォーズ」もわたしは観ていない。だからこの作品に特化して言うけれど、この監督、母親とか家族に幻想を求めすぎじゃないの…?と思ってしまった。悪い言葉ですみません。

なんでお母さんがあんな菩薩みたいなんだよ…。あれじゃ人間じゃない、神様じゃないか。その時点でもう現実感がなくて、もうどうしようもない。 一番違和感があったのは、母親の花の家族(雨と雪にとってのおじいちゃんとかおばあちゃん)がノータッチなところ。花のお父さんはもういないみたいな台詞があったけど、じゃあお母さんは…?娘が大学やめて、どこの馬の骨ともわからん男と子供作って、ド田舎に引っ越して暮らしているその間中知らんぷりですか!?家族のきずなをテーマにするなら、そのへんも配慮してあげてもいいんじゃないでしょうか。

その一方で、ド田舎のじーちゃんばーちゃん近所のおばちゃんとの関わりは有ったりして、やっぱり、違和感。結局は、監督が描きたい家族だけを描いてる、幻想でしかない。

●完全にファンタジーとして見れれば良かったけど、全体的に現実さを推し出していたもんだから割り切ることもできなくて、あーなにこれ!なにこれ!と、自分の中で整理ができないままに終わってしまったわけです(´・_・`) ●

本編を通してずっと心の中にあったのは、もやもやーっとした違和感。結論としてはそこ。おおかみおとこの存在の意味は?花の家族は?両親は?え、こんなこと現実にあり得るの?・・もうそんな細けぇことはいいんだよ!状態で、ファンタジーとして割り切って楽しめたならまだ良かったのかもしれない。ファンタジーは好きです。ロードオブザリングとかもう大好き。ディズニーも大好き。この映画の性質の悪いところは、無理やりにでも現実と結び付けようとする描写。

おかげで割り切ることもできず、かといって現実として受け止めることもできず、結果的にただただ違和感を感じるばかりで終わってしまった。

おおかみおとことの間に生まれた子供たちとの話。もうそれだけで明らかにファンタジーなんだから、そういう話にしちゃえばいいのに。それを無理無理に現実と結び付けて、やれ児童相談所だ、やれご近所付き合いだ、やれモンスターペアレンツだ…と出てきてしまうもんだから、ああもう!何が言いたいんだよこれは!!と、巨人の星の親父さん並にちゃぶ台返しをしたくなった。割と本気で。

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…そんなこんなで酷評してしまいましたが、映像とか音楽とかキャラクターとかはすごく素敵だったのでそういった部分では好きです。アニメ史上に残る傑作だとは思うので、正直言えばもう1回観たいくらい。ただわたしの価値観※には合わなかったという、それだけの問題なのです。

※わたしの価値観:全体的には、山田詠美の本にいちばん合っていると思います。破天荒な設定を掲げつつも、人間というものに対しては、すごく現実的な描き方をするひと。わたしはそんな世界が大好き。

2012年4月1日日曜日

【芸術】世界の終わりのものがたり

※なぜか消えてしまってたので再掲※

春の嵐が吹き荒れる昨日、3月31日、お台場の科学未来館で開催中の「世界の終わりのものがたり~もはや逃れられない73の問い」展へ足を運んだ。途中で電車が止まったせいで約束の時間には間に合わず、会場に着いたのは11時半頃。(某K葉線の使えなさといったら!)休日なので混雑を覚悟していたけれど、悪天候のためか、それともテーマが子供向けではなかったからか、そんなに人はおらず、ゆっくりと見て回ることができた。常設展やプラネタリウムも見たけど、感想は世界の終わりのものがたりに絞ることにします。

 3月11日の東日本大震災をきっかけに、日本人皆が感じた、「ある日突然世界が『終わって』しまうことへの恐怖と、それは逃れられないのかもしれないといった不安な気持ち」に対して、見て見ぬふりをするのではなく、あえてシビアに向き合ったという今回の展示。人間はいつか死ぬ、老衰で死ねればいいかもしれないけれど、不慮の事故や災害に見舞われて死んでしまうこともあるかもしれない。大切な人が皆いなくなって、ひとりぼっちになってしまうかもしれない。こうした逃れられない現実をトコトン追求した展示品の数々。心がずーんと重くなるようなテーマにも関わらず、不思議と嫌な気持ちはしなかった。それは、強制的に、ではなく、展示品の中で問いかけられるいくつもの質問に対する答えを、自然に自分の中で見つけようとすることができるから、なのかも。

 「人の手によるものと、人の手によらないもの、どちらがこわいと思いますか」「あなたにとって一番こわいことはなんですか」「あなたが死の直前にしたいことはなんですか」「あなたが不治の病にかかったとして、そのことを大切な人に伝えますか」「あなたにとって生きるとはなんですか」「逃れられないリスクに対して、あなたはどう向き合っていきますか」問いかけられる質問に対し、参加者は自分の想いを付箋等に記すことができる。参加型の展示というのは今まで何度か見たことがあるけれど、ここまで「参加型」という特性を活かしたものは初めてだったように思う。自分だけではなく、他の人の答えに目を通すことで、何となく日本人らしさというか、そういうものも感じることができた。勿論私も例外ではなく、その枠にはまってしまっているんだろうけれど。

 わたしにとって一番こわいものは、「ひとりになること」だ。漠然とした不安ではあるけれど、幼い頃から心のどこかでずっと感じていた。幸いにも、実際に「ひとりに」になってしまったことはない。家族・友人・恋人…いつだって私のそばには、私を支えてくれる多くの人が居る。これからの人生の中で、そういった周りの人々が誰もいなくなってしまうような、そういう経験はしたくはない。わたしにとっての「わたし」とは、周りの人がいてこそ成り立つものだから。他者との関係性の中での自己。なんだか、昔習った言葉のような…。

 

 この地球の青さも、けして永遠のものではない。現実から目を離さずに生きるのではなく、現実と向き合って、毎日をしっかりと生きることの重要性を、再認識させてくれる良い展示だった。

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 おまけ 3月中旬、家の庭で、梅の花が綺麗に咲きました。

2012年3月4日日曜日

【芸術】ICCとメディア芸術祭

2月4日と3月3日はサブカルづいていた(自分的には)2月:初台のICCによる「インターネット アートとこれから」へ。3月:国立新美術館で開催中の「第15回 文化庁メディア芸術祭」へ。どちらもサブカルというか、次世代アートというか、何かくだらないことを(勿論良い意味で)真剣に考えて表現している人たちの集まりといった印象。正直私には何かを表現する力なんて全然ないし、次世代アートどころか芸術のことなんか全然詳しくないし、何となく「すごいなー」とか、「へー」とか、「おもしろいなー」って感じる程度なんだけど。幸運なことに私の周りには、作り手として芸術にかかわっている人や、学生の立場から考察・研究している人が多いので、一般の人よりは少しだけ、そういう世界をわかることができている…気はする。

 ICCでは、インターネットというものの脅威とか面白さとかがぎゅっと凝縮していた感じ。「お絵描き掲示板」のよる芸術は、自分の経験とも相まって懐かしさと同時に、当時の「絵」に対する純粋な楽しみを見出すことが出来て、しんみりした。あの頃は、何も考えず、好きなものを描いて掲示板に投稿して、顔も知らない他の人と「絵」を介して交流して。まるで自分が一流アーティストになって、同じ職業の仲間と議論を交わす、みたいな、そんな疑似現実を楽しんでいたなあとか思ったり。今はPixivとかでその疑似現実を体験することが可能だけど、何だかレベルが高すぎて、掲示板時代の気軽さとか「下手でも褒めてもらえる」感じはないような気がする。
 あともうひとつ、ICCで印象的だったのは、時計。その名も、「夜の12時をすぎてから今日のことを明日っていうとそれが今日なのか明日なのかわからなくなる」。現実の時間を示す時計と、その現実の時間を「表現している」だけにすぎない画面の中の時計。どちらも同じ役割(時間を表す)を果たしているにも関わらず、実際にはその時計が示す時間は異なっている。前者は現実の時間、後者は過去のどこかの時間。なぜならば、過去の時計は過去のどこかで撮影された、画面の中の時計だから。私の拙い説明では単なる厨二病だな。うーむ。

 ICCは初めていったけど、通常展示も物凄く魅力的。真鍋大度さんのMV「少年よ我に帰れ」が素敵過ぎて、2回くらい凝視してしまったり、「無響室」で精神不安定になったり。何だか自分がアニメの中の人間になったみたいに、現実と疑似現実をいったりきたり。こういう世界にどっぷりはまってみたいな。不安定になりそうだけど。



 そして3月3日。昨日は「メディア芸術祭」へ。今までやっていること自体は何となく知っていたけど、入場無料であることとか、そもそも国立新美術館というものが六本木にあることとか、正直全然知らなかったレベルに近いので、初参加。何で今回行きたい!って思うようになったかっていうと、まあ「魔法少女まどか☆マギカ」が大賞を取ったという事実があるからなんだけど。

 まどマギは例の3話の評判を2chまとめアプリで見て、「何これこんな可愛い感じのキャラクターでほんわかした感じのアニメなのにいきなり登場人物首ちょんぱとかえええええ」みたいな感じになってそれ以来まとめの感想とかニコとかで見てずぶずぶとはまっていったのですが(実はちゃんと全部見たわけではないというにわか)やっぱり凄いなあというか。ステマとか色々ゆわれてるけど、サブカル!って感じのイヌカレー空間魔女と鬱シナリオとそれらに相反するような魔法少女たちの可愛さといじらしさが本当素敵なマッチ加減というか、まあとにかく好きなわけです。メディ芸での展示方法も、イヌカレー絵が巧く合うような感じにしててよかったな。そこで流れてたPVが絶妙だったんだけど、もう1回見たい…。映画はも絶対観に行こう。

 そしてそれ以外の展示ですが、他にも良いのが沢山あった。印象に残ったのは、しりあがり寿さんの「あの日からのマンガ」。新聞4コマの底力を見た気分。そして新聞の持ついわれもない「力」も。3月11日以降の実際の新聞紙面と、しりあがりさんの4コマを並列でまとめた展示を目にしたことで、彼が未曾有の大災害の中で、「マンガを通して何を表現すべきか」を悩みながら、それでも描き続けてきたという事実に、本気で心打たれた。新聞4コマも、新聞も、インターネットの波に流されてしまいそうな過去の遺産だけでも、やっぱり私は好きだな。
 あとは、名前は忘れてしまったけど、ゲーム画面を横につなげて遊ぶことができるもの。ファミコンからキネクトまで。ファミコンなんて知らないんだろうなあ(かく言う私もスーファミからか)という少年が目を輝かせて遊んでいる姿にじーん。ゲーム業界のはしくれとしては、こう…心を打たれるものがありますよね。

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 そんなこんなのサブカル日和。サブカルと言えるかはわからないけど、ブルーマンも見てきたりして。1カ月に1回は何らかの芸術に触れていたい、と、思う今日このころ。ブログも続けないとね。

2011年12月31日土曜日

The End of 2011

久々にブログを更新。基本的に3日坊主な私には、なかなか向いていないこのツール。でもせっかくだから、2011年最後の年くらいは更新してみる。

昨日は久々に、大学時代の友人と会って、飲んできた。基本的にしょうもない話しかしなかったけど、そんな中でも印象に残ったのは、「毎年大みそかには、家族皆でそろって『今年の漢字』を発表しあってるんだ」という彼女の言葉。今の時代、家族皆でそろって何かをする…というのが難しいけど(大人になってしまえばしまうほど難しい!)そんなことをやる彼女の家は素敵だなあと思う。

というわけで私もやってみようかな。これから年越しそばを食べて、紅白歌合戦を見る。その合間にでも。

私の漢字は、【動】。

恋愛をして、就職をして、異動をして、紆余曲折。ようやく腰を落ち着けることができたのはつい3カ月くらい前。動いてばっかりの2011年。

来年は、どうなるのかな。

落ち着いた1年が、幸せな1年が、笑いの沢山ある1年が、どうか過ごせますように!

2011年9月28日水曜日

【夏休み】27日、28日まとめ

旅行から帰ってきて、残りの夏休みは後2日。学生時代は3カ月近く休みがあったのに、社会人になってからまとまった休みは取れて1週間程度。学生時代は「そんな生活出来るのか…?」と不安でたまらなかったけど、やってしまえば何とかなるものだなあと思いつつ。逆に1週間くらいがちょうどいいのかも。今回は異動とかの諸事情でまとまった休みは取れず、8月に2日、9月に3日取る形になったけど、連休と重ねることが出来たから十分休めた気がするし、楽しみが2回に分けられたので、満足です。

■27日

旅行疲れで完全にグダグダ。昼近くに起きて、寝ぼけ眼をこすりながらお昼ご飯。お土産で買ってきた551の豚まんを食べる。家で蒸かしても美味しい。また買ってきたいな。そのあとは両親に写真を見せる。大阪の独特の雰囲気を伝えようとするものの、言葉では上手く説明できないので、とりあえず写真を見せたら何となくわかってくれたみたい。パパは出張で何度か行ってるみたいだけど、あまり観光はしてないようなので、家族で行くのも良さそうだなあと思ったり。

写真を見た後は、3人で映画鑑賞。1月にこぉちゃんと観に行った「僕と妻の1778の物語」を見る。途中寝落ちしそうになっていたパパも、中盤近くになるにつれて号泣。ママも泣いてたけど、「もっとどばーっと泣きたいのに、なんかじわじわくる感じで、鼻の奥が痛くて堪らなかった!」と言っていた。うん、何となくわかる。しかし私は感受性が豊かなので、どばーっと泣いてしまいました。良い映画だなあ。人が死ぬとか、そういう系は、ともすれば陳腐になってしまいがちだけど、「僕と妻の~」は妙にリアルで、淡々としてるあたりが、余計に泣かせる。昔は邦画なんてほとんど観てなかったけど、こぉちゃんと付き合ってからは色々観てる。また良い作品に出会えるといいなあ。今週の土曜日には「ライフ」観に行きます。

夜ごはんはまたもやお土産の551のシュウマイ。シュウマイを食べたのは初めてだったけど、やわらかくて美味しかった。うわーん、また大阪に行きたいよう。

次の日も休みということで、夜は家族で色々と話す。休み前の語らいっていいよね。

■28日

旅行疲れも取れてきたので、朝早めに起床。とろ~りチーズの乗ったトーストを食べて幸せな気分になる。旅行もいいけどやっぱり家が一番だなあと思う。ママと色々話しながら食べてたら、何だか近所のおばちゃん同士の会話みたいになっていることに気が付く。歳を取った…。

旅行の片づけとかをしつつ、昼ごはんを食べて午後にはお出かけ。ケーキを食べに行った。


住宅街の真ん中にあるおしゃれなカフェ。家族3人水入らずで食べるケーキは本当に美味しい。1時間以上もゆっくり話しこめるのも、嬉しい。家族の時間がわたしはとても好き。友達や恋人との時間も大切だけど、やっぱり家族はあったかいなあと思うのです。またこういう時間を持てることができたら良いなあと思いつつ。

カフェの中で可愛いハロウィンのお菓子が売っていたので、入れ物と一緒に購入。


"Trick of Sweets"って書いてあるのが可愛い。ハロウィンは海外のお祭りだけど、大好き。ハロウィンパーティしたいなあ。去年や一昨年はゼミで仮装したな。今年も無理やり押しかけようかしら。

以下追記。

夜ご飯を食べて、お腹がなぜか痛くなってきたので(確実に冷えだと思われる)ベッドでゴロゴロしながら漫画を読む。ヒラマツミノルの「アサギロ」。ずっと気になっていた新選組の漫画です。「アサギ」と題名が似てて、しかも同じ時期に始まった新選組の漫画ということで、気になってはいたんだけど、なかなか買うには至らず。思い切り青年漫画な絵だったので、どんなもんやらと不安だったのです。今回、TSUTAYAのコミックレンタルを無料でできるということで、この機会にと借り、ようやく読むことができた。


Amazonのレビューに、「女性に媚びない新選組」という言葉があったけど、確かにその通りだなぁと思った。総司を主人公とし、近藤さん、源さん、山南さん、土方さん、永倉さん…と有名どころが出てきて話が進むのはまぁよくあるし、当たり前の展開なんだけど、人物描写がとにかく泥臭くて、あっけらかんとしてて、笑いの部分も多いし。判官贔屓みたいな新選組像は皆無。むしろ、まぁこんな田舎者の集まりなら、武士の真似事して良い気になっちゃったんだろうな…と思わせるほど。それでもやっぱり皆かっこいいのは、滲み出る貪欲さか、素直さか。

土方さんは三巻から出てくるんだけど、(表紙も土方さん。やっぱり素敵なお姿であります)…ものすごく爽やかに、かつ美しく涼やかに登場するくせに、実はかなりの巻き込まれ体質で、そんなに強くもなく、精神的にまだまだ未熟な部分が多く描かれている。NHKでやってた「新選組血風録」といい、最近は人間臭い土方さんが流行ってるのかなぁ。まぁ、いきなり鬼であったわけではないってとこを強調して、ファン魂をくすぐってるんだろうけど。罪なひとですな。

そんな土方さんが吐く台詞でわたしがものすごくきゅんとしたのは、これ。「自分で決めた以上やるっきゃねぇ。でも、めんどくせー!」…なんかすごく脱力するというか、笑えちゃう台詞なんだけど、多分このひとは最後の最後までこんな気持ちで戦っちゃったんだろうなぁとか思えて、きゅんとする。真面目で、不器用だからこそ、ずる賢いことはできなくて、容量も悪くて、なんだか後に引けないまま箱館まで行っちゃって、あーもうめんどくせーなぁとか思いつつも自分で決めた以上やるっきゃねぇから戦ってた…とか。こういうかんじの人だったんじゃないかなぁ。うん、すごく好きです。

この漫画、どの辺まで描いてくれるのかわからないけど、できる限り長く連載して欲しいなぁと思います。すごく好きです。明日買ってこよう。

【旅行】9月23日~26日、奈良&大阪旅行

■23日(1日目)

朝8時半の新幹線(のぞみ)に乗り込み、新大阪を目指す。最近新しく出来た新幹線らしく、飛行機のエコノミークラスも真っ青な綺麗さだった。足が十分伸ばせる広さなので快適。寝不足が溜まっていたため、目を瞑り寝ようと試みるものの、あまり眠れず。遠足前の小学生のようになった。ipodや文庫本も手元になく、暇をもてあましつつも、窓の外の景色を見て気を紛らわせる。名古屋駅を過ぎたあたりでは、台風の影響で増水して庄内川が見えた。まだ被害は出ているんだろうか。

11時に新大阪駅に着く。初めてのところなので(厳密には2回目だけど、記憶にあまりないのでほとんど初めてみたいなもの)右も左もわからず、キョロキョロしてしまう。看板を頼りに改札口まで行くと、こぉちゃんのご家族が待ってくれていた。初めてお会いしたにも関わらず熱烈な歓迎を受け、恐縮を感じつつも、嬉しい気持ちでいっぱいになる。その後、一緒に昼食を取らせて頂き(大阪城の見えるホテルでゴージャスなランチ!)そうして、一端ご家族とは別れて大阪城へ。


大阪城では大河ドラマに併せて浅井氏の展示もされていた。長政の絵が描かれた屏風もあって、感無量。戦国時代はあまり詳しくないけど、無駄に浅井氏には詳しかったりする。でも秀吉のことはよく知らない…もっと勉強してから行けばよかったな。…それにしても、大阪城は大きい。天守閣まで上がるのも一苦労。公園内もとにかく広いので、早速体力がゼロになる。大阪城公園駅までの道のりがすごく長く感じた。

その後はこぉちゃんの育った街並みを散策しつつ、ご実家へ。ご両親にお世話になって、おいしい夜ごはんも頂き、色々なお話をした。わたしの生まれ育った町とは全く違うところなので、ところどころカルチャーショックを受けることもあったけど、楽しかった。この日は早めに就寝。

■24日(2日目)

起床。ご実家で朝ごはんをご馳走になり、車でJR久宝寺駅へ送ってもらい、電車に乗って奈良へ向かう。奈良に行くのは生まれて初めて。奈良=寺・大仏・鹿のイメージしかなく、正直なところ期待してなかったんだけど、ものすごく謝りたくなった。すごいです、奈良。歴史が半端ない。昔は見ても何も感じなかった仏像にも感慨深いものを感じた。興福寺では人生2回目の阿修羅像を見る。(1回目は上野の阿修羅展にて)阿修羅像が物凄く好きな母の影響で私も好きになっていたりする。仏像とは思えないほどの端正なお顔に、3方向それぞれ違う想いを秘めた表情がとても素敵。

興福寺では、阿修羅像の絵が入ったご朱印帳があったので、納めることにする。これでわたしもこぉちゃんと同じ、ご朱印仲間だ。朱印をしてもらうと、何だか心が引き締まる気がする。勿論、思い出にもなるし。何で今までやらなかったのか…とちょっぴり後悔。京都で沢山色々なお寺さんに行ったのにな…!でも、まだまだこれから。色々な寺社に行って、朱印を納めていきたいなぁ。


JR奈良駅から歩きっぱなしで、春日大社を目指すのは正直辛すぎて涙目になったけど、頑張って行って良かったと実感。気持ちの良い旅ができました。電車の中で疲れを癒しつつ、いよいよ大阪の中心地へ。HEPFIVEの代からン社に乗り、自分で作れるたこ焼き屋さん「蛸の鉄」で夜ごはん。奈良の静かな雰囲気とはガラっと変わり、大阪のにぎやかな街並みを堪能する。大阪人は何だかアジア(韓国とか)の人みたいなだなあと思ったり。見た目も好みも派手だし、夜遅くまで遊びを堪能してる感じがした。

HEPの観覧車は、今まで乗った観覧車の中でもピカイチの楽しさ&綺麗さだったので大満足。また乗りたいな。

夜はぐっすり。足が痛すぎて死にそうだったので湿布まみれで寝たら寒くて仕方ない。もう秋ですね…。

■25日(3日目)

起床しても足の痛みが取れない。体力無いな…と自分に失望しながら、朝ごはん。行こうと思っていた喫茶店が定休日だったことを知り、残念無念。日曜日だもんな、仕方ないよね…。気を取り直して入った喫茶店のトーストがなかなか美味しかったので、良かったけど。朝9時には天王寺駅へ。動物園が9時半オープンだという事実をすっかり忘れていたのですアホです。地元の親子連れにはさまれながら開園を待って、いざ動物園内に侵入。

昔、新聞社の人と話していたときに、「天王寺動物園には専属の記者がいる」という話を聞いて、ずっと行きたかったところ。東京の動物園と何が違うのかな?と思っていたら、全然違った。キリンとダチョウが共存してたり、ライオンがぐでーっと寝ていたり、ゾウが森林に囲まれて歩きまわっていたり…と、動物が生き生きと暮らしている感じがした。ニュージーランドのみに生息しているキウイも見れて、満足。ちなみにお気に入りの写真は↓


カバがちゅーしてる…可愛い…。

動物園を出てからは通天閣を目指し、新世界周辺へ。動物園とは全然違う世界にびっくり…ちょっと治安が悪そうな街並み。昼間からお酒を飲んでそうなおじさんたち。変わったゲームセンター?やご飯どころ…。うん、ますますアジア!って感じだ。それか、昔の日本。下町の雰囲気って感じかな?途中、こぉちゃんに勧められるまま入った「スマートボール」のお店で、何となく遊んでいたらうっかり150個もボールを集めてしまう。これぞビギナーズラック。大阪限定うまい棒のセットを貰い、気分は更に上々。でも、お店にいたおばちゃん怖かった…。


その後は新世界からオタクの聖地日本橋へと歩く。日本橋は西の秋葉原だと聞いていたので、あんな感じかな~?と思っていたら全然違った。危ない商品を売っているお店(エロ的な意味でも法律的な意味でも)が普通に並んでるし、掘り出し物は沢山ありそうだし。今の秋葉原というより、昔の秋葉原の雰囲気がそのまま残っているような気がする。おじいちゃんの話とかを聞いたうえでの想像だけど。途中、意味もなくアダルトショップとかに寄る。女子には縁のない世界ですが、結構面白いよね。居辛さは半端ないけど。私を見てびっくりするおじさんたちが沢山居た。そりゃそうですよね。紳士の社交場、邪魔してすみません…。

なんやかんやでいよいよ難波周辺へ。道具屋筋の変わったお店(看板とかたこ焼き作りグッズとか食品サンプルとか)を見つつ、なんばグランド花月を抜けて、かの有名な景色を仰ぐ。


食いだおれ太郎はもう無くなったと思ってたら、まだあったのね。シーズンごとに台詞が変わる(らしい)。今回は節電の夏にちなんでこの台詞。正直言えばこの人形が一体何なのか、全くわからないんだけど、何か愛嬌がある。大阪人っぽい感じを醸し出しているというか…。カーネルさんみたいに道頓堀に投げ込まれないで良かったね。…投げ込まれてるのかな…?そんな太郎人形の先には、阪神ファンにぶっ壊されまくっているというかに道楽のカニさんと、阪神ファンが飛び込みまくるという道頓堀。そしてかの有名なグリコの看板。この看板も一体どういうものなのかよく知らないけど、とりあえず有名なのはわかる。ので、観光客らしく真似して写真を撮る。…地元の人は一体どう思ってるんでしょうか…。

お腹もすいたのでお昼ご飯。「道頓堀 今井」にて汁の透き通ったきつねうどんと、親子丼を食べる。どちらも美味しすぎてやばい。いつもの倍以上の量を食べてしまった…さすが食い倒れですね。更にそのあと、カフェでフルーツパフェとかも食べてるから救いようがない。ええ、太りましたとも…。

オレンジストリートのおしゃれな街並みを楽しみつつ、時刻は16時過ぎに。いよいよ本日のメイン、なんばグランド花月でのお笑い鑑賞。お笑いとか全く興味がなく、寧ろ好きか嫌いかで言えば嫌いな私ですが、生で見るとものすごく面白かった。観光客が多かったことが影響してか、大阪と関東の比較ネタが多くて共感できる部分も多々あったのも良かったかな。西川きよしとか桂三枝とか、有名どころも見れたし。大人も子供もご老人も皆で頭カラッポにして笑っている感覚は、ディズニーとはまた違う魔法的なものを感じた。都内にもよしもとが見られるところはあるので、また行ってみようかなあと思いつつ。

たくさん笑ってまたお腹がすいてしまったので、夜は串カツを食べ、さらに「本家大たこ」のたこ焼きを食べる。うん、やっぱり食べ過ぎている。でも美味しいんだもん、仕方ないよね!夜の道頓堀周辺は、昼とはまた違う凄さがあった。この街は眠らないんだろうなあ…ネオンがチカチカ、眩しい。外国みたいだ。

最後はなんばパークスでまったりした時間を過ごし、ホテルへ。もうフラフラだけど、楽しかった。

■26日(4日目)

いよいよ最終日。大阪駅で荷物を預けて、いざ大阪港へ。今まで大阪のド派手な部分ばかり堪能していたので、大阪港駅についた瞬間のガラ~~ンとした景色には驚きを感じた。千葉のポートタワーの周辺とか、こんな感じよね。うん…田舎ですみません。10時半ころに海遊館に到着。動物園に水族館を連続で行くとは、私たちは一体どこのアットホームな家庭でしょうか…。でもいいもん、好きなんだもん。

「海が遊ぶ」と書いて海遊館。その名の通り、魚が水槽に閉じ込められているのではなく、それぞれの地域の特性を踏まえたうえでの展示と、カピバラとかカワウソとかラッコとかの、動物園的な生き物も居たりして、すごく楽しかった。年間パスポートを買って毎日でも行きたい感じだ…。1人でカメラを持って来てる人もチラホラ。天王寺動物園もそうだったけど、生き物がのびのび暮らしている感じが出てて、いいなあ。


海遊館を出た後は天保山の観覧車へ。横浜の観覧車よりも大きい感じがした。周りに特に高い建物はないので、地味な感じがしつつも、大阪の街並みを全て見渡せる程の視界の広さは圧巻。日本全国にある観覧車を制覇してみたいなあ…。日本一低い山、天保山には空腹のあまり行けなかったので、今度リベンジする予定。

昼ごはんは駅前の古風な食堂でオムライス。半端なく大きいので涙目になりつつも、おいしいので満足。わずか700円程度でこの量が食べられるとは…東京じゃ考えられないなあ。千葉ではありそうだけど!

午後は大阪駅のステーションビルでウインドウショッピングを楽しみ、おしゃれなカフェでスイーツを食べ、新大阪駅へ。恒例のお土産タイム。551の豚まんとしゅうまいを購入。大人気のお店らしく、並んでいた…。勿論私はこぉちゃんと出来たての豚まんをほおばった。うん、おいしい。18時40分の新幹線に乗り込み、東京へ。大阪限定ICOCAのイコちゃんキーホルダー(たこ焼きの上に乗っているやつ)が買えなかったのはちょっぴり残念…。

それにしても大阪。すごかった。日本の中にあるけど日本じゃない感じ。韓国とか中国とか似てる。人も何か違うし。うん。また行きたいなあ。今度はUSJにも行ってみたいし(よしもとのお笑いでUSJがネタに使われてたので更に行きたくなった)日本最大のプラネタリウムがあるところにも行ってみたいな。

2011年9月21日水曜日

台風退社

朝からニュースでは台風の報道ばかり。「関東地方に上陸の恐れ有り。外には出ないでください」との注意喚起。おいおいそんなのを鵜呑みにできるのはニートか引きこもりくらいだよ…とか心の中で盛大に突っ込みつつ出社。朝の電車も何故か遅れてた。

出社してすぐに上司からアナウンス。状況を見て、家に帰れなくなりそうならすぐに帰るようにとのこと。家族と連絡を取りつつ、インターネットやらニュースやらで情報を収集して状況を適宜チェックする。お子さんが休校なったということで、女性の上司は早々に退社。こういうのをちゃんと認めてくれる部署でよかったと実感。

ただ、こういうときに限って仕事が多いのが実態…。しかも新しい案件が多いという。。なんとかして終わらせて早目に帰らねばと思いつつ、作業を進める。今日教わったことははたして頭に入るのか。甚だ不安です。

いよいよ上陸しそうだということで、たいへんなことになるまえ、13時頃には退社させてもらえることに。申し訳なさももちろんあったけど、こういうときは早目に行動するに限るよね。電車は普通に動いていた。地元に近づくにつれて強風と大雨がひどくなってきて、不安は増したものの、無事に帰宅。

なんだかこんなにはやく帰ると、小学生の頃みたいだなぁとか思いつつ遅めの昼ご飯。そのあとは、仕事の復習をしたり、なぜか部屋の掃除をしたり。台風のときに家に居ると、なんだかワクワクする。こぉちゃんもそう言ってたけど、わたしもそう思う、昔、小学生のころ、ちょうどいまくらいの時期に台風直撃して運動会が中止になったときなんか、家でかくれんぼして遊んでたもんな…。大変な事態だから不謹慎なのかもしれないけど、ワクワク感は止まらなかった。

夜ごはんを食べながらニュースを見ていたら、都内の様子が。電車は予想通りほとんど止まってしまって、帰宅難民だらけ。うーん。地震のときとは違って、今回は台風の経路が予想されてたのに、なんで帰らなかったのかなぁ。気の毒だとは思うけど、その人個人か、あるいは会社か、とにかく判断が鈍いとおもうなぁ。「帰らせろ!」とか駅員に詰め寄るのとか、お門違いだと思うよ…。こんなときでも働く、さすが日本人…。

今週はなんだかあんま仕事してないなぁ。明日でおわりだ…明日はちょっと長めに仕事しよ、がんばろ。